フォトレポート ANB Tokyoオープニング展「ENCOUNTERS」
予期せぬ「遭遇」から生まれる新しい創造をテーマに、若手キュレーターたちが中心となって企画する4つの展覧会の様子を写真とともにお届けします!
ANB Tokyoは、複合性を活かして独自のネットワークを構築しアートと社会の新しい接続点となる場所を目指し、今年誕生した。
今回オープニング展として、都市、ストリート、エコロジー、パーティーといった異なるテーマのもと、26組のアーティストが集結。若手キュレーターたちが中心となって企画する4つの展覧会から構成された。
3F 「NIGHTLIFE」
バブル時代のディスコのような空間が広がっており、クラブカルチャーの歴史をパーティー気分で体感できる展示となっている。
「光はどこから?」
朝や昼には太陽の光がある。でも、光というものは暗闇がある場所で初めて感じることができるのではないか。
1987年、バブル真っ只中の六本木にシド・ミードがデザインを手掛けたクラブ『トゥーリア』が誕生した。3年後まで続くはずだった“そこ”は半年後に店内の照明落下の事故が起こってしまったのである。
死亡者3名、負傷者14名を出す事故だった。
解体後の場所には現在、慰霊碑代わりの地蔵が立っている。
こちらはレコードに触れることで地蔵を撫でているような体験ができる作品。
こちらは、踊ったあとの床を野焼きし、踏んだ部分だけ形として残した作品。
パーティーの動線を可視化している。
4F 「楕円のつくり方」
決意や旅立ちを表現したグラフィティと、女性の「性」を一緒に見せる展示方法。
NAZE氏の身体感覚で描かれた赤い線と、ヤンツー氏のプログラムされた線の重なり。
日本とルーマニアの年代も異なる集合写真を並べることで、遠くにあったものに「つながり」を持たせている作品。
この展示の軸として、トップダウン手法ではなく、マッチョにならないように企画をしたそう。
成功の方程式をなぞるだけではなく、新しいことを!
6F 「And yet we continue to breathe.」
都市の中にある雑草の“争うことをせず、受け入れる”という姿勢を、人々と重ね合わせている。
お互いを尊重できる人でありたい、という願いも込められている。
喜多村みか氏の冷たく見ているような写真が最後に置かれ、冷たさの中にある“あたたかさ”を感じることができる。
この土を運ぶために200往復をしたトラックが壊れたそう。
7F 「SOURCE/ADIT: Studio TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH」
「TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH」(東京フォトグラフィックリサーチ)は、2020年代を迎えた「東京」を、写真の機能や概念を拡張させながら多面的に再解釈していくプロジェクト。
新しい写真のかたちを感じることのできる空間となっている。
TICKET INFORMATION
会期:2020年10月11日(日)~11月8日(日)
会場:ANB Tokyo 3F, 4F, 6F, 7F
住所:港区六本木5-2-4(六本木駅から徒歩3分)
開催時間:12:00〜20:00(入場は19:30まで)
休館日:月・火
入場料:一般 1000円、中・高・大学生 入場無料 ※受付にて学生証要提示
入場規制:10名/毎30分程度
入場方法:事前予約制
キュレーション:山峰潤也(TAA共同代表)、石毛健太、丹原健翔、西田編集長、布施琳太郎、吉田山、Tokyo Photographic Research
ARTISTS
石毛健太、片山高志、喜多村みか、顧剣亨、郷治竜之介、小林健太、小山泰介、スクリプカリウ落合安奈、谷口暁彦、田村友一郎、丹原健翔、築山礁太、長島有里枝、永田康祐、NAZE、林千歩、Houxo Que、細倉真弓、マーサ・ナカムラ、松田将英、三野新、MES、山形一生、やんツー、吉田志穂、渡邉庸平(五十音順)