楊博個展「”Fly me to the moon” sequence1:Nightngale and Rose」がアートスペースEUKARYOTE(ユーカリオ)で開催
本展では芸術作品の創造の連鎖の手前にある「受容」をテーマに作品が並びます。
2021年1月16日(土)から2月7日(日)の会期にて楊博個展「”Fly me to the moon” sequence1:Nightngale and Rose」がEUKARYOTEで開催されます。
パンデミックに直面した2020年は誰にとっても「距離」は身近なテーマになりましたが、楊博にとってもまた距離、それを本人にとってより的確に言い換えた「遠さ」は、これまでのテーマを踏襲しながら今回の制作にも影響を与えています。
楊博は以下のように語っています。
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タイトルのfly me to the moonは、ジャズのスタンダードナンバーから取ったものです。
この曲はアポロ計画の時代に、フランク・シナトラのカバーにより大ヒットしたり、後に日本ではエヴァンゲリオンのエンディングになったりしました。宇多田ヒカルも歌っています。
歌詞の内容では、「i love you」と伝えるための前置き?照れ隠し?として、私を月に連れていってと歌っています。
この曲は大体70年前くらいに作られたものだそうですが、これまでの間に何人かの人たちは実際に月に行きました。
それでも僕にとっては、このセンテンスを使うにしても、まだまだ比喩としてでしかできません。
歌の主人公が愛を伝えるためにどうしても必要だった遠回りの、そのような「遠さ」が、宇宙飛行士でもなんでもない自分を、逆に保たせているようにも思えます。
いずれにしても、もともと僕にも夢はありませんが、ここと一番遠くとの間については、確かに考えることはありました。
特に、2020年以降はいろんな「遠さ」を感じるには多すぎるほどの時間がありました。
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楊博はこれまでも主に音楽や映画といった時代毎のポップカルチャーから引用された言葉や日常的な風景を画面に取り入れ、断続的に流れる映像のようにドローイング的な絵画作品を展開、発表してきました。
サブタイトルとして引用されたオスカー・ワイルドの「ナイチンゲールと薔薇」に限らず、全ての文化産物に対する遠回りとして紐解かれる彼にとって身近な風景を描いた絵。
本展では芸術作品の創造の連鎖の手前にある「受容」について、また、絵画作品が連続することで生まれる関係性の不条理を、言うならばだらしなさによる喜劇として表現する試みとなっております。
【開催概要】
“Fly me to the moon” sequence1:Nightngale and Rose
開催期間:2021年1月16日(土)〜2月7日(日)
開催場所:EUKARYOTE
住所:東京都渋谷区神宮前3-41-3
営業時間:12:00〜19:00
定休日:月曜
楊博
1991 中華人民共和国湖北省生まれ
2001 日本宮城県に移る
2019 東京芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画 修了
個展
2018「Heart of glass」CAPSULE /東京
主なグループ展
2020「working/editing 制作と編集」アキバタマビ21 /東京
2019「固定される影」Yutaka Kikutake Gallery /東京
「The course of true love never did run smooth」EUKARYOTE /東京
2018「preview」EUKARYOTE /東京
2017「GINZA 24H SQUAD」旧銀座松崎ビル /東京
「美大生展」SEZON ART GALLERY /東京
2016 「Collapse Eve」旧豊島区役所庁舎 /東京
「POOL MUG」桜台 POOL /東京
EUKARYOTE
“EUKARYOTE”は、2018年に東京の神宮前に設立したアートスペースです。美術の発生より紡ぎ続けてきた現代の有形無形、その本質であり、普遍的な価値を持つ作品や作家を積極的に取り上げ、残していきます。