【新たな愛の形と異質なbomb】都市とロマンティシズムの関係から新たな「愛」の形を探るトモトシ個展「Romantic Bomb」開催!
「Romantic Bomb」[6/17 (Fri.) - 7/3 (Sun.)]
この度、TAV GALLERYでは現代美術家トモトシの個展「Romantic Bomb」を 6月17日-7月3日まで開催いたします。トモトシは1983年生まれ、身体を用いた都市への言及、および無意識に形成された秩序の境界侵犯としてのパフォーマンスを行う作家として知られています。当展覧会の試みは、10年代のオルタナティブといった時代的性格から一度、トモトシの活動を引き剥がし、独立した一作家としての “トモトシ”の肖像をご覧いただくことです。
当展タイトルの「Romantic Bomb」は、多様化する性愛の問題を懐古的に捉え直すのではなく、都市空間の中における愛の形を作り直したいという作家自身のロマンティシズムと、公共や社会的な調和に対して異質な行動や物を持ち込むことを”Bomb”として組み合わせた造語です。当展に出品される作品は、かつての制作と地続きでありながらも、自身の身体を伴った介入(侵犯)の行動が最小限に留まっており、都市を俯瞰的に捉え、身体の在処を探るように一変した映像作品が並びます。それらは今、公民支配と化したポリコレ・ウイルスを激化させ、二項対立を生む安直なコマーシャリズムには決して留まらないアクティビズムであり、新たな表現として成立しています。オルタナティブ≒闘争という形を最小限に維持しつつも、静かに時代的潮流と向き合うトモトシの態度は、場とロマンスの関係性を問いただし、見えざる他者を想像させてくれることでしょう。
胸の内を明かせば、私がトモトシを取り扱うのは筋違いかもしれません。『トモトシ美術館』というジョークとしての名称と、その場に関係していた「百姓」の馴れ初めを冷ややかな目でみていたし、アーティストランスペースなどの場の脆弱性を批判し、ギャラリーのアウラの復興を計画的に行なっていました。また、2019以降のオルタナティブ≒闘争であった無数の “ If ” の提示方法が見直される現在において、革新性を伴うトモトシの表現がもつ、揺るぎない秩序を揺るがす可能性を、恐怖により直視できなかったことが、その理由です。しかし私は、目に見えていた他者を失い、今もなお場の文脈を背負い続けるトモトシの活動に屈して、不合理な彼との仕事が、重要な歴史と物語を継続できる唯一の可能性になると改心いたしました。
都市とロマンティシズムの関係から新たな「愛」の形を探る新作映像作品を中心としたTAV GALLERYでは初となるトモトシによる個展「Romantic Bomb」に、是非ご期待ください。
佐藤栄祐
■開催概要
●展示名:トモトシ個展「Romantic Bomb」
●開催期間:2022年6月17日(金)- 7月3日(日)13:00 – 20:00
●開催場所:TAV GALLERY(東京都港区西麻布2-7-5 ハウス西麻布4F)[080-1231-1112]
休廊:月、火
●レセプションパーティ:2022年6月17日(金)18:00 – 21:00
※当展の休廊日は月、火となります。
■出展作家プロフィール
トモトシ tomotosi
インディペンデントアーティスト
1983山口県生まれ
現在東京を拠点に活動
学歴
2007 国立大学法人豊橋技術科学大学卒(建築意匠)
2016 ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校修了
2019 イメージフォーラム映像研究所修了
2019- RAM Association: Research for Arts and Media-project
受賞歴
2014「北九州デジタルクリエーターコンテスト2014」入選
2014「eco japan cup 2014 エコアート部門」入賞
2017「デイリーポータルZ 新人賞2017」優秀賞
2019「イメージフォーラム・フェスティバル2019」観客賞
2019「WIRED CREATIVE HACK AWARD 2019」準グランプリ
2020「デイリーポータルZ 新人賞2020」優秀賞
個展
2014「わたしをもっと見て」 gallery SPACEKIDS(東京)
2018「tttv」中央本線画廊(東京) ※キュレーター 秋山佑太
2019「美しくあいまいな日本の私たち」目黒rusu(東京)
2019「キレてないですよ!」阿佐ヶ谷ロフトBARホール(東京)
2019「有酸素ナンパ」埼玉県立近代美術館アーティスト・プロジェクト#2.04(さいたま) ※キュレーター 佐原しおり
2020「ヘルニア都市」トモ都市美術館(東京)
2021「ミッシング・サン(芸術競技2021)」TOH(東京) ※キュレーター 吉田山
フェスティバル
2019「あいちトリエンナーレ2019」(豊田) ※ディレクター 津田大介、キュレーター 石川達紘
2021「水の波紋展2021」ワタリウム美術館 オン・サンデーズ他(東京) ※ディレクター 和多利恵津子、和多利浩一
2021「黄金町バザール2021」(横浜) ※キュレーター 小林麻衣子
2021「Stilllive: Performance Art Summit Tokyo 2021-2022」ゲーテ・インスティトゥート(東京) ※ディレクター 小林勇輝 キュレーター 西田編集長
スクリーニング
2019「イメージフォーラム・フェスティバル2019」(東京、名古屋、京都)
2019「東京ドキュメンタリー映画祭2019」新宿K’s cinema(東京)
2019「タイ短編映画祭」(バンコク)2020「ULTRA VIEWING vol. 2 トモトシ」無人島プロダクション(東京) ※キュレーター 藤城里香
2020「東京ドキュメンタリー映画祭2020」新宿K’s cinema(東京)
2021「モスクワ国際実験映画祭2021」The Garage Screen(モスクワ)
2021「ソウル実験映画祭2021」indiespace(ソウル)
■Art Works